自律神経失調症の鍼灸治療  パニック障害 不眠と動悸、背部痛、デパス服用

 今日の患者さんは 自律神経失調症を訴える34歳の男性です。

主訴は 動悸と寝つきが悪いとのこと

8月に飼っていたネコが死んでしまってそれから体調を崩しているとのことでした。
仕事中や就寝時に動悸が発生し息苦しくなるとのこと。

心療内科でパニック障害と診断され
デパスを服用していたが症状が改善されず12月に来院されました。

その他の症状  

①早朝覚醒、焦燥感、尿の切れが悪い、頭痛、頭重、口渇、咽喉の異物感(梅核塊)背部痛、息が吸いにくい、腰痛

②動悸、胸が苦しい

倦怠感、食欲がない、肩こり、息切れ、憂うつ、やる気がでない 
イライラ、尿漏れ、性欲減退、朝立ちしない

服薬しているもの

  
漢方薬 柴胡加竜骨牡蛎湯 さいこかりゅうこつぼれいとう、
    半夏厚朴湯 はんげこうぼくとう 
デパス 0.5m 朝夕2錠

最近多い自律神経失調症の典型的な症状です。

①腎と②心のバランスに問題があるとみました。

また 今回の症状には薬の副作用も含まれている可能性があります。

疑われる副作用
 疲れやすい(倦怠感)、尿漏れ、口の渇き、肩こり、背部痛、息切れ 性欲減退

このデパスという医薬品ですが、注意したい薬の一つ❗

病院では自律神経失調症などの症状に結構な頻度で処方されます。

「 専門的にはベンゾジアゼピン系抗不安剤に分類され その依存性の強さから乱用が問題になっています。 」


2012年11月20日 読売新聞 「抗不安薬依存深刻に!」

短期的には有用の場合もありますが、副作用の多さから長期的に服用するのはお勧めできません。

治療方針  

①デパスの減量をしつつ鍼灸治療にて症状を和らげることでまず医薬品の減量をしていく。
②自律神経症状を鍼灸治療にて調整し、改善していく

ということになりました。

(減量は医師にお願いしました。)

①治療1回目  

脾と腎のバランスを考え 脾虚として本治法 ㊨ 太白、大陵をていしんにて 補法 

以後、週2回のペースで治療をすすめる。

②治療2回目 

頭痛と腰痛が軽減したが動悸が増える

 腎虚 として 本治法を 左 太谿 補法、㊨胃経を瀉法

服薬 デパスの減量を開始

③治療3回目

 息が吸いにくいということだったので
       右の太谿 列缺 補法に切り替える

④治療4回目以降

 腎と心のバランスをみながら 週2回のペースで治療を継続

⑩治療10回目 1月末 でデパスを完全に中止

デパスの中止とともに肩甲骨内側の凝りが消失。(←デパスによる副作用であることが判明)

⑰治療17回目 3月初め眠れない日は週に7→1回くらいに軽減
       性欲も改善してきたとのこと

 
3月より週1回のペースで治療をすすめる。

⑳治療20回目 

4月以降は症状が安定してきたので
2週間に1回のペースで治療を継続している。

考察

 自律神経失調症のうち心身的な症状は東洋医学的には腎と心のバランスが乱れていることが多いです。

 デパスを服用して5ヶ月だったが、服用量が少量だったため鍼灸治療を開始して早い段階でデパスを中止することができた。

これまで薬物治療では改善のみられなかった 咽喉の詰まる感じや焦燥感、動悸、息の吸いにくい感じ、頭痛は鍼灸治療にて徐々に軽減できた。

背中の凝り(肩甲骨の内側)は たびたび出現していたがデパスを中止することでほぼ消失した。
この症状はデパス服用の患者に多く見られる症状でもあります。

また、口渇、尿漏れ、性欲減退についても同様に消失したためこれらの症状は

デパスの副作用だったと思われる。

今回の症例ではデパスの減量から始めたため治療期間が長めであるが
服用前であればもう少し早い段階での症状改善が期待できます。

現在も時々眠れなかったり、動悸があったりすることもあるので2週間に1回のペースで鍼灸治療を継続しています。

症状については治療前と比べれば かなり軽減しており満足感も高いようでした。

以上 デパスの減量とはりきゅう治療による自律神経失調症状の改善の報告でした。

(さいたま市浦和駅前 たまはりきゅう院 院長 田巻)

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自律神経失調症の鍼灸治療 さいたま市浦和駅前 たまはりきゅう院

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