10年前から咳症状がつづきます。薬を飲んでも効かないんです。

今回はうまくいかなかった例です。

 

 

 

 

今日の患者さんは60代の男性です。

 

 

 

 

10年前から咳が続いていて苦しい😷

 

 

 

 

○具体的には

 

 

・冷房の部屋にはいったりしたとき

 

・食後

 

・夜間

 

・痰は透明→あまりはっきりとしない

 

 

 

 

 

病院では

 

 

 

「運動誘発性喘息」

 

 

 

と診断され薬も処方されている。

 

 

 

 

 

内服薬とともに吸入薬 アドエア、メプチンを服用している。

 

 

 

→しかし、薬を使ってもあまり効いている気がしない。

 

薬をやめたいがやめると症状が酷くなると言われやめられない。

 

 

 

 

 

その他の症状

 

 

・夜間尿→ 

 

 

・咽喉がイガイガする→

 

 

 

・便秘→おそらく鎮咳剤の副作用: 薬をやめれば軽減されるだろう

 

 

 

 

 

 

東洋医学的な考察

 

 

 

・長引く咳は肺経の変動、  具体的には 実>虚

 

 

・夜間尿があるので腎経の変動

 

 

 

この場合 肝経 もしくは腎経を中心に治療しいくという治療の方針を立てます。

 

 

 

 

 

 

もともと喘息や咳は鍼灸治療では改善の見られやすい疾患の一つです。

 

 

投薬治療だと一生の間 ステロイドの吸入をすることが指針になっています。

 

 

 

 

効果のない薬はすぐに減量、中止を念頭において、とりあえず5回鍼灸治療をしてみようということになりました。

 

 

 

8割くらいはこの間で治療の効果が確認できます。

 

 

 

 

 

 

 

ところが、1回治療したところで患者さまより治療中止のご連絡。

 

 

 

 

 

理由を聴くとどうやら

 

 

「1回の治療で咳に関しての改善がみられなかった」

 

 

ということでした。

 

 

 

 

 

 

 

10年も患っていた病です。

 

 

一回の治療で主症状の改善を期待するのは無謀です。

 

 

 

 

 

鍼灸の治療で重要なことは証(しょう)の決定。

 

 

 

 

証とはその症状に対する治療法の方針です。

 

 

 

大まかに5つあります。

 

 

 

肝虚 かんきょ

 

心虚 しんきょ

 

脾虚 ひきょ

 

肺虚 はいきょ

 

腎虚 じんきょ

 

 

 

 

症状と脈の感じお腹の状態からこの証を判断していきます。

 

 

 

そしてその証に関連するツボを選んで治療していきます。

 

 

 

証が違えば症状は改善しません。

 

証があっていても病態によって効果が確認しにくいこともあります。

 

 

 

 

最初は第一選択の証にしたがって治療をすすめます。

 

 

だめならば別の証を考えます。

 

 

 

 

 

 

この例のように

 

 

10年ものの症状の場合は、治療効果がでるのには少し時間がかかります。

 

 

 

 

 

証が合っていたとしてもある程度の回数、治療を続けなければ効果がはっきりしません。

 

 

 

しかしながら、主症状が変化しなくてもその他症状のなかには変化しやすいものもある。

 

 

 

 

 

その他の症状は改善に向かっているか否か。

 

 

その他の症状が改善に向かって入れば五臓のバランスの改善が予想できます。

 

 

つまり、治療をすすめれば主症状も改善の可能性が高まります。

 

 

 

 

 

たとえるならば、一本の木を観察するのでなく森全体を観察する感じです。

 

 

 

 

 

経絡治療では身体全体の反応として見て行きます。

 

 

薬は部分的な反応でしかありません。

 

 

 

鍼灸と薬ではその効果の出方が異なるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数回の治療効果、主症状の変化ばかり見ていては真の効果は実感できません。

 

 

 

 

 

 

このように治療する側がうまくいくと思っていても、

 

治療を受ける患者様の判断で治療を中止してしまい、うまくいかなくなる例もあります。

 

 

 

 

 

東洋医学では長い眼で全体の症状を観察してみる必要があります。

 

 

 

 

木を見ず森をみてください。

 

 

 

 

 

 

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