唾液分泌が無くなって口の中が痛いんです。これって自律神経失調の症状なの?
今回は30代の女性です。
主訴は口の中の痛み。
唾液の分泌量が減って、口の中、歯茎、舌がとにかく痛い。
少し前に口腔外科で口腔内の神経を切る手術をしたそうです💦。
それでも痛みが変わらないとのことで来院。
もともとパニック障害があって 5年前から向精神薬を服用中。
・ソラナックス、デパス、ノリトレン、フルニトラゼパム(サイレース)、テトラミド・・・
たくさん服用していました。
最近はパニックの症状はないのだが 「口の中の痛み」が我慢ならないとのこと。
その他の症状としては
めまい (立ちくらみ、眼が回る)
便秘
口渇
一見すると自律神経失調症のような症状です。
しかし、この場合まず疑うの薬の副作用❗
「 唾液の分泌がなくて、口の中が痛い 」
なんて症状 通常は 発現する症状ではありませんね。
こういう場合 薬の副作用が出ている可能性が高い。
のんでいる薬は 向精神薬ばかり5種類。
通常であれば多すぎる数と量❗
向精神薬で有名な副作用の一つに
「抗コリン作用」 というのがあります。
これは唾液腺に存在するムスカリン受容体を遮断して唾液の分泌を抑制してしまうというもの
結果
↓
以下のような症状も発現する場合がある
口渇 便秘 立ちくらみ 目眩い 排尿障害 眠気 かすみ目 吐き気 食欲不振 胃部不快感 動悸 不整脈
口渇 便秘 立ちくらみ 目眩いは一致。
ちょっと専門的な話ですが、
この方の服薬中の薬剤の抗コリン作用は弱いものとされています❗❗
ただし、
・副作用の発現に関しては個人差があること(大きく出る場合もその逆もありうる)。
・抗コリン作用のある薬剤を複数服用していることから、相加・相乗的に副作用が発現している可能性もある。
・向精神薬の抗コリン作用に関しては可逆的(もどることができる)であるので 薬をやめることで症状はなくなります。
以上から抗コリン作用が発現している可能性が高い。
これを確認するにも薬をやめるしかないのです。
これを無理に鍼灸治療しても薬の影響が勝って治療効果が現れにくい。
薬の副作用は別の処置や、別の薬の服用によって解決することではありません❗
本来ならば医師や薬剤師が副作用の発現をうたがって早期に薬の減量を指示すべき
しかしながら、薬の副作用を気にする医師は少数派なのが現状。
つまり、薬を渡す薬剤師もそのまま渡すしかないのです。
実際は別の処置や薬を飲ませることでそれをスルーする場合がほとんど。
だからこのような小さな?薬害は結構な割合で発生しています。
この薬害から自分の身を守るためにも、
薬をもらう側も薬についての知識、副作用について疑いながら服用することが大切。
薬を簡単に増やしてしまう医師は要注意です。
これからは「薬を出したがらない医師」を見つけてください(かなり貴重です)。
そんなこといっても薬のこと難しくって無理と思う人。
いつでもご来院ください。
薬についても説明いたします。
ついでに
医薬品で副作用が起こり治療費等が発生した場合 国が補償してくれる制度があります。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai/help.html
知っておくとよいです。
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