スポーツ飲料は補水に適するのか? (歯の話 その3)
○スポーツ飲料は補水に適するのか
私の娘の通う小学校では脱水症状の予防にスポーツ飲料が推奨されているそうです。
先日 歯科医の 森 昭 先生 の講演によりますと
「スポーツ飲料は水分補給に適さない」
「スポーツ飲料は虫歯リスクを増やしてしまう」
ということでしたので復習のつもりでまとめてみました。
・糖分濃度が低いほうが水の吸収率は高い
激しい運動の後に水分補給としては、糖濃度は低め(5%以下、5g/100ml以下)、ナトリウム濃度は高め(40~80mg/100ml程度)のものが理想です。
グラフのように、糖濃度が高いと水分の吸収が遅くなります。
右のグラフでは、糖濃度が青線で示された最も低い2.5%(2.5g/100ml)が一番吸収が早くなっています。
ご存知のようにスポーツ飲料であるポカリスエット(糖濃度6.5%)、アクエリアス(同6%)などは味をよくするために、糖濃度の高くなっています。
このようにスポーツ飲料の水分吸収率はよくはなく、水分補給に適するものといえません。
どうしてもスポーツ飲料を飲みたいのであれば、水で薄めて飲んだらいいでしょう。
ナトリウム | カリウム | 糖分 | |
WHOの推奨する経口補水液 | 60~90g | 20g | 20g |
OS1 (大塚製薬 経口補水液) | 50g | 20g | 25g |
ポカリスエット (大塚製薬) | 21g | 5g | 58~66g |
・スポーツ飲料は飲み続けると虫歯のリスクが高い
スポーツ飲料は飲みやすくするため砂糖が多めに入っています。
普通のジュースより少し少ない程度です。
今でも部活動などでスポーツ飲料が勧められていますがジュースを飲むのと同様に虫歯のリスクは高くなります。
ポカリスエット | アクエリアス | コーラ | チョコレート | |
砂糖の量 | 23g | 21g | 38g | 15~20g |
*飲料は350ml チョコレートは一枚
・非常時に飲むのであれば経口補水液
経口補水液は塩分(ナトリウム)と糖分を一定の割合で含む水溶液です。
経口補水液による水分補給は、お茶や白湯と比べて、体に吸収されやすく、そして一定時間水分が体内に保持されるという特徴があります。
・普段は水かお茶でいいでしょう。
細かいことを言えばお茶にはカフェインが含まれているので身体への吸収があまりよくないとされています。
(カフェインは利尿効果を高めるため)
しかしながら、特別な状況でもなければ水やお茶飲めばいいのではないでしょうか。
経口補水液なんてつい最近までなかったものですし。
汗と一緒にナトリウムも排出されますから、しょっぱいものを少し食べるようにすればよいのではないでしょうか。
以上
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